【新規計画】姫路城のライトアップ一新で世界的な照明デザイナーの石井幹子氏を起用〈20/10/5新規〉


“白鷺城”の愛称で親しまれる世界文化遺産・姫路城のライトアップを一新するプロジェクトで、世界的な照明デザイナーである石井幹子氏の事務所を起用することが分かった。兵庫県姫路市は、姫路城の夜間照明デザイン業務を公募し、石井幹子デザイン事務所(東京都渋谷区)に委託する予定だ。新照明の運用は連立天守群周辺が2023年4月から、内濠周辺は24年4月から始める計画だ。石井幹子氏は、これまで東京タワーやレインボーブリッジ、歌舞伎座ライトアップなどの照明デザインを手がけた。

姫路市は、各地の観光施設がイルミネーションやライトアップを競い合う中、「現行設備では十分とは言えない」と判断、工事費約3億円を投じて、連立天守群の照明のフルカラー化などに取り組む。

姫路城のライトアップがスタートしたのは、今から50年以上前の1964年9月にさかのぼる。93年4月からは現在のスカイビーム灯によるライトアップに切り替えた。ただ、「各電灯が一元的に制御されていないなど機能面の課題に加え、老朽化による設備更新が必要な時期を迎えている」(姫路市)ことから夜間照明を新しくする。

新照明は、従来と同様に城自体など建造物には取り付けず、照明灯の位置も変えない方針だ。連立天守群の照明はフルカラー化に加えて、点滅や色調の変更を可能なものに変える。

21年度中に設計を終え、工事は2期に分けて進める。第1期は連立天守群周辺を対象とし、22年度に工事を実施、23年4月1日から運用を始める。続いて、第2期は内濠周辺を対象とし、23年度に工事を実施、24年4月1日から運用をスタートさせる予定だ。