最新の5G(第5世代移動通信システム)技術を体験できるオープンラボが10月1日、大阪・南港にオープンする。大阪市やソフトバンク(東京都港区)などが共同で運営し、約20製品・サービスを体験できる展示・体験ルームや、動作検証などのための検証ラボを設ける。官民が連携し、5G技術に特化した体験施設は日本で初めてという。利用者は法人に限定し、完全予約制。「今後3年間で15件程度の新ビジネスを創出したい」(大阪市)とし、展示内容も3カ月に1度は見直し、常に最新の技術にアップデートする計画だ。
【約20製品・サービスを体験できる展示・体験ルーム】
広さ約240平方㍍の展示・体験ルームには、遠隔運転・操作やスポーツのAR・VR観戦など約20製品・サービスを展示し、1時間ほどかけて見学・体験できる。たとえば、『エッジAIカメラ』は、リアルタイムな顔認証や来店者の属性データの取得が可能で、工場内の危険エリアの安全確認や小売店のマーケティングに活用が可能だ。
【エッジAIカメラ】
ソフトバンクの藤長国浩常務執行役員は、「この施設を通じて、大阪の人たちとともに日本、そして世界に対して多様な技術を発信し、さまざまな課題の解決につなげたい。ここで開発した技術に対して、通信をソフトバンクで縛ることは一切考えていない」とする。
大阪市の柏木陸照経済局長は「中小企業に対して、これまで融資や人のマッチングなどに取り組んできたが、欠けていたのが技術革新。企業の技術革新の発火点となる施設にしたい」とその意義を強調する。
施設名は「5G X LAB OSAKA(5G・クロス・ラボ・オオサカ)」で、アジア太平洋トレードセンターITM棟6階のソフト産業TEQS内に新設する。10月1日から予約を始める。